日々の暮らしが未来をつくる

施設での養育が主流となっている
日本の社会的養護。
その中で私たちは、
あえて家庭という場での養育を選びました。
それは、日常の何気ない営みの中にこそ、
子どもたちの成長に必要な
栄養があると信じているからです。

朝の食卓での会話、
夕食の準備を一緒にする時間、休日の家事分担。
親が農作業に追われている時には、
自らが家事を賄わないといけない役割分担。
一見すると取るに足らないこれらの日常が、
実は子どもたちの人格形成に
大きな影響を与えていきます。

米重さん家を探検

実子と里子が共に育つ環境

私たちの家庭の最大の特徴は、実子と里子が共に暮らしているという点です。実の親子の自然な関わりが、新しく家族となる子どもたちの心の安定につながっていきます。

血縁の有無に関係なく、共に暮らし、支え合える。そんな家族のかたちが、当たり前として受け入れられる社会への第一歩。それが私たちの願いです。

「家の中に我が子が居て、里子もいる。それが特別なことで無くなると良い」そのような社会になることを願っています。

農家との二刀流

里父が営む農業は、子どもたちに多くの気づきをもたらします。

土を耕し、作物の成長を見守り、収穫の喜びを分かち合う。この体験を通じて、子どもたちは自然と生命の尊さ、働くことの意味を学んでいきます。季節の移ろいとともに生きる農家の暮らしは、子どもたちの心に確かな生活リズムを刻んでいくのです。

土を作る微生物にも役割があるように、小さきものであっても大切な役割がある、そのことを身近な生活を通して体得して欲しいと願っています。

架け橋としての役割

私たちは、この家が子どもたちの
終の棲家とは考えていません。
むしろ、新しい未来へと向かうための
架け橋でありたいと願っています。
それは時として、実親のもとへ
戻っていく道かもしれません。
また、新しい里親との出会いの
きっかけとなることもあるでしょう。
特に幼い子どもたちの場合、
特別養子縁組という選択肢も視野に入れながら、
子どもを中心に据えた=「子ども真ん中社会」
を創る一翼を担いたい…
その子にとって最善の道を探っていきます。

つながり続ける場所として

デジタルでつなぐ新しい絆

「米重さん家(げー)」のある鹿屋市輝北町は、豊かな自然に恵まれた場所です。しかし、その分アクセスはとても不便です。マイカーがなければ、気軽に訪れることは難しい場所にあります。

そこで私たちは、デジタル技術を活用して、この物理的な距離を縮めていくことを考えました。このホームページもその一つです。私たちがどんな場所で、何を大切に考えているのか。子どもたちの預け先として検討される際の判断材料を、できるだけ丁寧にお伝えしていきたいと思っています。

公式LINEが育む日常のつながり

特に力を入れているのが、公式LINEの活用です。巣立っていった子どもたちと、気軽につながり続けられる手段として活用しています。

「今日、こんなことがありました」
「実は、ちょっと悩みがあって…」
「最近、すごく忙しくて」

そんな日常の言葉が行き交います。
既読マークが付くだけでも、お互いの安否確認になる。
そんなゆるやかでありながら、確かなつながりを大切にしています。